10年前と8年前の出来事

関係者

暁 流星(あかつき りゅうせい)

性別

年齢

6歳 ⇒ 8歳

地球人の少年。
父親の仕事を見学していたときに偶然ペンタスと出会い、仲良くなる。
気弱で引っ込み思案だが、優しい性格。
しかし、根は頑固で一度決めたことは曲げない芯の強さがあり、また時として突拍子もない行動に出ることもある。

特撮ヒーローが大好きでとても詳しい。
それに伴って宇宙人という概念にも憧れがあり、結果ペンタスと仲良くなることができた。
気弱な自分を変えたいと思っており、ペンタスの明るい性格に憧れる。
ヒーローへの変身願望がある。

シュタル星人ペンタス

性別

年齢

6歳 ⇒ 8歳(地球人換算)

父親の仕事の都合で地球にやってきた宇宙人の少年。
普段は人間のような姿を取っているが、実際は人型ではあれど一発で宇宙人とわかってしまう姿。まだまだ変身技術が未熟でふとした瞬間に解けてしまう。
真っ直ぐで物怖じしない性格。誰とでも仲良くなろうとする。
初めて訪れる地である地球に緊張こそしていたが、その性格であっという間に現地の子供であるリュウセイと仲良くなった。

いたずら好きで好奇心旺盛な面もあり、父親が仕事で使う予定だったものを勝手に持ち出してしまうといった子供らしい向こう見ずな行動もする。
幼くして母親を亡くしており、父親に構ってほしい気持ちの裏返しでもあるが、本人は気づいていない。

また、シュタル星人の特性として聴力にとても優れており、遠くの音や小さな音を聞き分けられる力を持つ。

暁 新星(あかつき しんせい)- 初代キズナアカツキ

性別

年齢

36歳 ⇒ 38歳

リュウセイの父親。
イクサスの職員であり、地球外生物との交渉を担当する第一人者。
キズナゲイザー初代隊長。キズナゲイザー発足当初はメンバー3人+隊長の体制で隊長も前線に出ていた。

明るく真っ直ぐな性格で、誰もが憧れるようなまさしく『ヒーロー』
時に熱く、時に冷静に、時に茶目っ気たっぷりに周囲に接する。
部下や仲間を重んじる完璧上司……のように見えるが、色々抜けていて忘れ物が多かったり朝に弱かったりする(そういうところが呆れられながらもまた好かれるのである)

シュタル星人 ハイド

性別

年齢

36歳 ⇒ 38歳(地球人換算)

ペンタスの父親。
滅びゆくシュタル星からの移民先を見つけるための先遣隊であり、太陽系の担当者。
シュタル星と環境の近しい地球に着目し、交渉を持ちかけるために親子で訪れる。

物腰柔らかで聡明、争いを好まない真面目な性格。
地球の文化にも深い理解を示し、家族ぐるみで暁家やイクサスの面々と深い仲を築いていく。
幼くして母親を亡くしたペンタスのことを気にかけるあまり過保護に叱りすぎてしまうことも。

暁 文愛(あかつき あやめ)

性別

年齢

34歳 ⇒ 36歳

リュウセイの母親。
天ノ川大学理工学部・宇宙物理学研究室(暁研)の准教授。
イクサスと研究提携をしており、装備開発などを担当している。
シンセイとアヤメは両者の職場にすっかり知れているほどのおしどり夫婦だが、仕事ではお互いに一歩も譲らない(どちらかと言えばシンセイが言い負かされている)

常に明るく笑顔を絶やさない。少し子供っぽいところも。
研究のこととなると周りが見えなくなる面があり、寝食を忘れることもしばしば。
母親としては失格だ、と本人は思っているが、リュウセイやペンタスに向ける目は温かく、ペンタスは実の母親のように感じている。

大墨 遥(おおすみ はるか) – キズナオオスミ

性別

年齢

20歳 ⇒ 22歳

天ノ川大学理工学部・暁研の学生。
インターンでアヤメと共にイクサスに出向。
そのうち正式に内定が決まり、イクサスに就職した。

シンセイとアヤメを尊敬しており、いずれ自分もそのような働きをしたいと考えている。
負けず嫌いな性格で周りに突っかかることも多々あるが、本質的には優しい。
職場に頻繁に出入りするペンタスとリュウセイを叱りながらも、よく面倒を見ていてかわいがっている。

キズナオオスミに任命されたときは内心嬉しくて仕方なかった。
ヒーローらしく、皆を救い、皆をつなげる役目でありたいと誓うが……

隼 大地(はやぶさ だいち) – キズナハヤブサ

性別

年齢

27歳 ⇒ 29歳

元消防士。シンセイに引き抜かれ、イクサスの職員となった。
筋肉至上主義。常に身体を鍛えている。
一方で閃きに優れ、機転が効く強さもあることから、ハルカは一方的にライバル視している。
ただ、ダイチからしてみればハルカはかわいい弟みたいなもので、普段はペンタスやリュウセイと同等に扱っている。
しかしながら、任務時にはしっかり頼りにしており、チームの中でも随一連携の取れた戦い方をする。

丹生 朔良(たんせい さくら) – キズナタンセイ

性別

年齢

28歳 ⇒ 30歳

イクサスの職員。シンセイの引き抜きでチームに加入した。
冷静沈着な参謀。作戦立案を担当している。
真面目で若干融通の効かない性格だが、シンセイやアヤメ、ハルカやダイチに絆されてだんだん丸くなってきた。

ぬいぐるみが大好き。中でもクマが好き。

シュタル星人 レンジア

性別

年齢

享年30歳くらい(地球人換算)

ペンタスの母親。
ペンタスが幼い頃に病死している。

エピソード

10年前

AEXAsとキズナゲイザーの発足

人類の科学技術が発達し、徐々に宇宙進出を始めた頃。
地球外からも人類に向けた交信や悪意のある侵入などが少しずつ見られるようになってきた。
それらに対応するために発足した組織がAEXAs(イクサス)であり、前線部隊として設けられたのがキズナゲイザーである。
イクサスの職員・シンセイはキズナゲイザーの人事や装備配置などを一任され、それらの手配に奔走していた。
装備開発は元よりイクサスと研究提携していた妻であるアヤメに任せ、作戦立案担当にイクサス職員のサクラ、人命救助・戦闘担当に消防士のダイチ、現場での装備調整担当にアヤメの研究室の学生であるハルカを採用する。

シュタル星人の来訪

キズナゲイザーが発足して間もなく、地球外からの交信をキャッチした。
発信者はシュタル星人のハイド。
恒星の膨張に飲み込まれて消えつつある母星・シュタル星からの移民先を探す先遣隊だという。
シュタル星と環境の近しい地球に着目し、ぜひ移民を交渉したいというハイド。
はじめこそ警戒していたシンセイたちだったが、ハイドの丁寧なやり取りに心をひらいていく。
またそこで、ハイドが妻に先立たれており、幼い子どもであるペンタスと共に地球に来訪したいという旨を聞くことに。
シンセイはどこか自分の家族と重ね合わせて、地球への着陸、そしてイクサスでの交渉を許可するのであった。

シュタル星人の交渉

イクサスでの交渉にて、ハイドは以下のように交渉を持ちかけた。

  • 地球が既に人口過多であることは理解しているということ。
  • シュタル星人は肉体よりも精神に重きを置く種族であるということ。
  • シュタル星には自身の精神を他者の精神に移植する技術があるということ(その装置:サイミグレーター(psy-immigrater)も見せてみせた)
  • ついては、相性の良い地球人1人につき、シュタル星人1人の精神を同居させてほしいということ。
  • ただ、相性の良し悪しによってはどちらかの精神が消えたり、混濁してしまったりする可能性もあるため、診断は慎重に行わなければならないこと。
  • そしてその診断の手段もあるということ。

一見問題のないような交渉だが、地球人としては誰かと精神を同居させることに困惑がある。
少し考えさせてほしいとシンセイは検討に持ち込む。

ペンタスとリュウセイ

一方で、初めて訪れる惑星に興味津々のペンタス。
父親の目をくぐり抜けてこっそりイクサス内の探検に出かける。
「人間に会わなければいいよね!」と油断していたところ、同様に父親の仕事を見学しに来ていたリュウセイとバッタリ。
驚きで元の姿に戻ってしまうペンタス。リュウセイももちろんびっくり。尻もちをつく。
驚かせてしまったペンタスはリュウセイに咄嗟に謝り、怪我がないか尋ねる。
そんなペンタスの姿にリュウセイも落ち着き、なおかつ自分が大好きな特撮ヒーローに出てきそうな宇宙人に興味を覚える。

なんだかんだ話しているうちにすっかり仲良くなった二人。
お互いの親に見つかりこっぴどく叱られるが、結果として惑星間の仲を深めるきっかけになるのであった。

シュタル星人を救う方法

移民について検討を重ねるうちに、サイミグレーターを使わずともシュタル星人が行く先を見つけられるのではないか、とアヤメが提案する。
その方法とは多元宇宙往来装置の開発。アヤメの専攻分野のひとつだ。
他次元の人口が集中していない世界を探し、そこへシュタル星人を全員移民させるという計画である。
地球よりも進んだ科学技術力を持つシュタル星人の知見を得ながら、多元宇宙往来装置の開発が進められていく。

8年前

ペンタスとサイミグレーター

あっという間に2年の月日が過ぎた。
ハイドとペンタスは暁家に居候していたこともあり、家族ぐるみですっかり仲は深まっていた。
リュウセイとペンタスは同じ学校に通い、兄弟のように過ごしている。
そんな中、ペンタスはふと父親の荷物の中に長らく放置されているサイミグレーターを見つけた。
サイミグレーターはシュタル星では一般的なもので、よく見かけるもの。ふと故郷が恋しくなる。
寂しそうにしているペンタスを見たリュウセイ。気にかけて話しかける。
ペンタスはリュウセイにサイミグレーターの話や、自分の故郷の話、母親の話などを打ち明ける。母親が死ぬ前に『サイミグレーターで母さんの精神を自分に移植したかった』という話もしたが、家族同士での精神移植は相性が良すぎるため禁止されているということも。
「それなら僕たちも相性がいいから移植できないね」とリュウセイ。
診断はしていない。しかしはっきりとわかるその言葉になんだか嬉しくなるペンタス。
「そうだな! 俺たちピッカピカの家族みたいだもんな!」

多元宇宙往来装置・実証実験

そして訪れる多元宇宙往来装置初めての実証実験日。
キズナゲイザーの面々、開発者であるアヤメとハイド、そして家族の仕事の見学に来ていたペンタスとリュウセイ。
問題は何も無かったはずだった。
起動と同時に爆風が辺りを包む。

何者かに改ざんされたプログラムによって暴走した装置は爆風と共に周囲の次元を切り取って飲み込んだ。
ダイチ、アヤメ、ハイドは消失、サクラは片足を切断された。

爆風で飛んできた瓦礫に身体を挟まれしばし気絶していたものの、かろうじて次元の狭間に飲み込まれずに留まったハルカは現状に愕然とする。
そうだ、側にいた子どもたちはどこへ……。
動かない身体で周囲を見渡し、不意に見つけた二人の影。
しかしそこでさらに絶望的な状況を目撃してしまう。
半身を失ったペンタスの隣で泣きじゃくるリュウセイ。

今なお猛威を振るい続ける多元宇宙往来装置。
吹き荒れる風の中、ハルカはシンセイの声で我に帰った。
「俺はこいつを止めに行く!」
見れば変身したシンセイのマスクは割れ、目が潰れている。もうあたりは見えていないようだ。
それに、装置の周りには視認できるほどの次元の歪みが発生している。おそらく近づいたら狭間に巻き込まれ戻れはしないだろう。
「でも! シンセイさん……ッ」
「大丈夫、見えてる……聞こえている」
走り出すシンセイ。叫ぶハルカ。身体は動かずシンセイに手は届かない。

「リュウセイとペンタスを……頼んだぞ、ハルカ」

なおリュウセイ。
死にかけているペンタスの持つサイミグレーターを手に取り、ある決断をする。
「僕の身体をあげるから、ペンタスを助けてあげてください……!」

リュウセイの正体

サイミグレーターを起動するリュウセイ。
しかし、前に二人が話したことは的を得ていて、サイミグレーターを使用するには二人の相性は良すぎた。
お互いの精神は混濁。中途半端に混ざりあった結果、ペンタスでもリュウセイでもない第三の人格が生まれた。
新たに生まれた名もなき人格は両者の性格こそ引き継いでいるものの(気弱で臆病な面と行動的な面が同居するようになった)、要は全くの別人になってしまったため、記憶が引き継がれることはない。
その後、リュウセイの身体に宿った新たな無名の人格──すなわち『現在のリュウセイ』は周囲の大人たちの対応を経て、『暁 リュウセイ』として地続きに生きていると勘違いすることになっていく。

事故の終結

装置の暴走によって建物も崩壊。
崩れ落ちる瓦礫の中、すべてを見ていたハルカは辛うじて変身し、崩落で宙に投げ出されたリュウセイを救出、着地し九死に一生を得る。

結果として助かったのはハルカ、サクラ、そして精神が再構築されたリュウセイの3人だけだった。
(後述するが、サクラの生存は本人の意志によって伏せられたため、表面上の生き残りはリュウセイとハルカの2人のみとなっている)

また、精神移植が原因でリュウセイの身体には様々な影響が出ることに。

聴覚の強化

リュウセイはこれをヒーローとして必須の能力と前向きに捉えているが、周りに理解されないことも多く、苦しんできた経緯がある。

食事量の変化

一般的な育ち盛りの男子の量に比べても多く、また、空腹になるペースがかなり早い。2人分の精神を宿しているのでその分消費するとかなんとか。

リュウセイは、精神が再構築された直後からの記憶は有している。解離性健忘のため曖昧であるものの、黒いヒーローに助けてもらったこと、高所に何かしらの壮絶なトラウマがあることだけは記憶しており、特に黒いヒーローの記憶は、その後の本人のメンタルを支える大きな活力になった。結果として、元のリュウセイの素質もあれど、特撮ヒーローにのめり込んでいくこととなる。

サクラはこの事故がきっかけで身体の自由を失い、車椅子による生活を余儀なくされる。
一方で、事故が何者かによって引き起こされたものであると睨み、その因果を探るためには自分自身の生存を伏せた状態でこそ動けることも多くあると『死んだ人間』として生きることを選んだ。
クマ型ロボット『コグマ』を通して正体を隠したまま、キズナゲイザーの隊長を務めることになる。

ハルカはリュウセイ、およびペンタスが命を落としたことを知る唯一の人間(サクラも薄々気づいているが、実際にサイミグレーターを使用した場面を見ているのはハルカだけであり、なおかつハルカはそれを誰にも話していない)。
ハルカにしてみれば、リュウセイもペンタスも、生存を伏せているサクラを含めた仲間たちも──誰も助けられなかったことに等しい。
そしてハルカもまた、プログラムに改ざんが加えられていたことに気づいており、犯人への復讐心に駆られることになっていく。